黄体ホルモン(プロゲステロン)は排卵後に卵胞から変化した黄体から主に分泌されるホルモンです。子宮内膜を厚くし、受精卵が着床しやすい状態へと整える働きがあります。また着床後の妊娠継続にも欠かせないホルモンです。切迫流早産や習慣性流早産に使用する場合もあります。
デュファストン/内服薬
ジドロゲステロン錠と呼ばれている薬剤です。人工的に作られた合成ホルモンですが、天然の黄体ホルモンと同等の作用があるとされ、1960年代から長らく代表的な黄体ホルモン薬として使用されています。
ルトラール/内服薬
クロルマジノン酢酸エステル錠と呼ばれている薬剤です。こちらも人工的に作られた合成ホルモンですが、天然の黄体ホルモンと同等の作用があるとされ、デュファストンよりも強力な黄体ホルモン作用がありますが、同時に男性ホルモン(アンドロゲン)作用も持っています。こちらも1960年代から長らく代表的な黄体ホルモン薬として使用されています。
ルティナス、ウトロゲスタン、ワンクリノン、ルテウム/膣座薬
天然型黄体ホルモン製剤と呼ばれている薬剤です。この天然型黄体ホルモン製剤は日本では2014年から使用されている比較的新しい薬剤です。天然型の黄体ホルモンは内服薬の場合、肝臓での代謝を挟むため十分な効果が得られませんでした。それに比べ、膣壁から吸収される膣座薬の場合は、目的とする子宮での効果が得られやすかった為、こちらが主流となりました。
ルティナスが日本で初めて販売された薬剤になります。その後ウトロゲスタン、ワンクリノン、ルテウム、次々と発売されました。欠点としては価格が高いこと、膣に薬剤を入れるのが大変な事が挙げられます。